手のひらの多元宇宙ゴマ

手のひらごとグルングルン回転します

KING OF PRISM にやられた人のためのプリティーリズム・レインボーライブへの手引き

キンプリの、Over The Rainbow のライブで産まれて初めてプリズムショーを観た一条シンくんのような人が思ったよりたくさんいるのを知った(ボクもその1人だが)。形としてはスピンオフに近い続編だしもともとプリティーリズムを観てきた人ばかりだと思っていたのだが、そういうわけでもないらしく、かなり多くの人が初めてプリティーリズムに触れたようなのだ。


初めてキンプリを見てからというもの、「アレは何だったんだ」という高速道路を走っていたら生身のババアに追い抜かれたドライバーのような呆然とした感覚に囚われたボクはそれから脱却すべく、キンプリの母体ともいうべき存在、プリティーリズム・レインボーライブを視聴したのだ。


結論から言うと素晴らしい作品を多くの人に観てもらうべく、この記事を書いている。「51話もあるアニメなぞ、どんな勧めを受けようと絶対に観ない」という確固たる意志がある人はこのままブラウザを閉じてもらって構わないし、「お前に言われなくても観るつもりだぞ」という人はこんな駄文を読んでいる暇があるならブラウザを閉じて一秒でも早くレインボーライブを観てほしい。「言われなくてももう観てる」「そもそもプリティーリズムは全部観てるぞニワカめ」という人は暇なら読み進めて、あわよくば笑ってもらえれば幸いである。



プリティーリズム・レインボーライブを観るべき理由としては「ただただレインボーライブ自体が素晴らしい作品だから」とまとめてしまうこともできるのだが、キンプリを観て「レインボーライブも観たものか、でも長いしなぁ」という人に向けて、最後の一段、最初の一歩を踏み出すきっかけとなればと思う。




Over The Rainbowの3人にレインボーライブ内で何があったのか、というのはキンプリ内で語られてはいるが、なにぶん尺がどれだけあっても足りないような映画なのでかなり端折られている。あくまでメインは女の子のストーリーなので、男の物語は彼女たちのストーリーの進行とともに合わさりまとまることになる。「ヒロとコウジにいろいろあったけど仲直りして、カヅキも仲間になったぜ。」という結果、キンプリが産まれる種が蒔かれるまでの軌跡がレインボーライブで紡がれているのだ。


速水ヒロである。キンプリではコウジとの別離に誰よりも涙する爽やかアイドルとして活躍する彼。レインボーライブではコウジの歌、コウジそのものを手に入れるためヤンホモと化す。*1コウジが絡まなければ女子中学生に優しくアドバイスしたりもするので悪いやつではないのだが。とにかく一挙手一投足が面白い、もはや留守電すら面白いのはズルい。レインボーライブを観終わってからのprideは、イントロからして印象が変わるのを約束する。
(要求は控えめなタイプである)



神浜コウジ、キンプリで尻から蜂蜜を出し突然ブチ切れる彼は、レインボーライブでは女子中学生とラブラブになるためにやたらと重いストーリーを展開してくれる。コウジ自体は何も悪くないのだが、土曜朝にやってた女児向けアニメにしてはやけに重い話がかなり長く続く。あとキンプリほど声はねっとりしていない。2年間で彼の声帯(もしくは性癖)に何があったのだろうか。


仁科カヅキ先輩はレインボーライブの良心である。聖人と言って差し支えない。その聖人っぷりから女子中学生2人にモテる。彼のフリーダムであることへの拘り、彼が本当にストリート系の地位を下げているのかはレインボーライブを観れば分かることだろう。



この人たちもいる。負債が凄い人と仮面がダサい人とケモナーの人*2だ。キンプリの、そしてレインボーライブのいざこざはこの3人+1人の確執が根底にあると言っていい。キンプリの続編が作られるとして、この3人+1人の物語を知らないことは大きな損失である。グロリアスシュワルツコール前の演説も、女は勝利者に惹かれるって言いたいだけなのだ。あとカヅキとアレクサンダーが回転する時浮いてる理由もわかる(わからない)。



女の子の話をします。ここまで読んだんだから帰らないでください、お願いします。プリティーリズムは女の子の物語なので女の子の話をします。わかりましたね。
*3


女の子の話、と言ってもざっくりキンプリで語られた男どもと違って女の子に何があったか話してしまうと、レインボーライブの視聴を勧める文章としては身も蓋もないので、プリズムショーについて話したい。キンプリを観た人なら分かると思うが、プリズムショーとはスケート靴を履いてダンスをし、プリズムジャンプをする競技である。話の中で他の評価点も産まれるのだが、ジャンプの括りに入れられるし観ればわかるので書きませんよ。


「プリズムジャンプは心の飛躍」という言葉がある。プリズムジャンプはある種の必殺技のようなものであることは既にお分かりだろう。彼女たちも物語の中で成長し、新たなジャンプを会得していく。まさしく必殺技である。これがあるので飽きないのだ。その週の話が一件落着したので〆に歌って踊って終わり、ではない。お話の山場、最も盛り上がるポイントにプリズムショーがある。彼女たちはプリズムショーの最中かなり喋る。実際声に出してはいないだろうが、独白、モノローグの形で心境を吐露し、物語で自分が何を感じ成長したか、その結晶としてプリズムジャンプがある。自身が新たなステージに飛躍したことの表れとして新たなジャンプに成功する。彼女たちの友情の形としてプリズムジャンプが成立する。彼女たちのプリズムショーに同じ曲が使われることはあっても、同じプリズムショーは無い。プリティーリズム・レインボーライブでは、彼女たちの進化が51話を通して描かれているのだ。ボクがとにかく観てほしいのはべる様の最後のプリズムショーである。仲間と共に苦難を乗り越え成長した彼女のショーはレインボーライブの集大成と言ってもいいはずだ。歌が進化するという現象を観測することができる。



とにかく観てほしいのだが流石に51話ともなると長いと感じるだろう。1話24分が51話、1224分。約20時間弱だ、本当に長いだろうか。1日3時間ほどあれば2日で1クール分観ることができる。なんとなくダラダラしてる時間をレインボーライブに充ててみてはいかがだろう?ボクは正直言うと足りない。あと51話は観たい。そんなわけでボクは今オーロラドリームを観ています。オアシスが蜃気楼だったあたりです。




頭からここまで整合性を考えず書いてきて何の手引きにもなってないのに気づいたのだが、あなたの足を手で掴んで引きずり込むという意味で手引きだ。我ながらひどい。むしろキンプリにやられた人間がマトモに文章を書けると思わないでほしい。以上、プリティーリズム・レインボーライブ視聴を勧める記事でした。(打ち切り)

*1:「神浜コウジ」でGoogle画像検索するとやたらとヒロの画像が出てくる

*2:キンプリのあのシーンは本当に驚いた

*3:作中一のクールキャラ 蓮城寺べる様。声が低い